俺を好きなのはお前だけかよ(7) (電撃文庫)

二学期直前、チェリーとサザンカのストーカー被害の相談を受けたジョーロは、"借り”のある彼女たちの偽装彼氏となり、事態の解決を目論んでいた。しかし、偽装であるが故、事態は予測すらしていない方向へ展開していき、また会えない時間が増える事で、想いを寄せるヒロインたちとの間にも亀裂を生じさせてしまう。。この物語の特徴的な点として、ある突拍子もない展開によりジョーロが窮地に立たされ、そこで抗えば抗うほどにもどかしい程に追い込まれ、読み手にフラストレーションを溜めさせていく。それが頂点に達した時、事態がスパッと好転するような解決策を導き出し、最後に読み手をスッキリとした気持ちさせてくれますが、この巻もその例に漏れない内容ですね。本巻は「これまでのおさらいと、ジョーロの成長」を書きたかったと著者があとがきで仰っていました。たしかに、過去に自分が経験したからこそ、他人が同じことをやっているのにも気が付けるし、的確な対処やアドバイスをする事ができると思いますし、今回は誰も巻き込まずにジョーロがほぼ一人で問題解決をしようとする姿が印象的でした。これまで築いてきた下地を活用する手法はお見事というしかありません。ただ、今回★を４つにしたのは以下の2点。ひとつは、これまでにあった"裏の気持ち”の心理描写が少なかった事。もう一つは、チェリー・サザンカ中心で展開したため、他のヒロインたちの動きが少なかった事。でも、その中でも、コスモスはかっこ良すぎて・・・可愛すぎた（照）